最近、「AI時代に経営コンサルティングは本当に必要なのか?」
という声を耳にする機会が増えました。

AIの進化は目覚ましく、図面やパース・動画の生成、情報収集や分析、
文章作成、アイデア出し、議事録作成など、
多くの業務を短時間でこなせるようになっています。
支援先の設計事務所はもちろん、私自身も日々AIを活用しており、
その可能性には驚かされるばかりです。

では、AIがこれほど進化した今、設計事務所の経営コンサルティングは
本当に必要なのでしょうか。

私の答えは、とてもシンプルです。

AI時代だからこそ、設計事務所の経営コンサルティングの価値は高まる
と考えています。

AIは膨大な情報の中から、最適と思われる答えや選択肢を瞬時に提示してくれます。
しかし、その答えが「自身の設計事務所にとって最適かどうか」は別の話です。

さらに、AIには「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」と呼ばれる現象があります。
これは、事実とは異なる情報や架空の出来事を、あたかも事実であるかのように
自信を持って回答してしまう現象です。
便利で優秀なツールである一方、最終的な判断や事実確認は、人が行わなければなりません。

設計事務所には、それぞれ異なる歴史があります。

所長の想い、スタッフの個性、得意分野、地域性、お客様との信頼関係、
そして「どのような設計事務所を目指すのか」。

同じ答えが当てはまる設計事務所は、一つとしてありません。

実際、AIの活用状況も設計事務所によって大きく異なります。

全社員が一定のルールのもとでAIを効果的・効率的に活用し、
生産性を大きく向上させている事務所もあれば、
各自が個別に有料アカウントを契約し、
それぞれが試行錯誤を繰り返している事務所もあります。

また、所長ご自身は積極的にAIを活用されていても、
社内で運用ルールやデータの共有方法が整備されておらず、
かえってスタッフの負担やコンプライアンス違反など
を招いてしまっているケースも見受けられます。

つまり、AIを導入することが重要なのではなく、
「組織としてAIをどう活用するか」が、これからの競争力を左右するのです。

だからこそ重要なのは、情報を得ることではなく、
その情報をどのように経営判断へ結び付けるかです。
AIの導入・活用の見直しが、既存のシステムの見直しにも大いに役立ちます。

経営コンサルタントの役割は、答えを教えることではありません。

経営者自身も気付いていない強みや課題を整理し、選択肢を広げ、
ときには耳の痛いことも率直にお伝えしながら、最終的な意思決定を支援することです。

AIは最高の「アシスタント」にはなれます。

しかし、経営者と同じ目線で悩み、考え、未来を描き、
実行まで伴走する「パートナー」は、
人だからこそ担える役割ではないでしょうか。

おかげさまで、来月からまた新たに設計事務所様との
経営コンサルティングサポートがスタートいたします。

AIを積極的に活用することで、私たちはこれまで以上に
多くの情報や選択肢をご提供できるようになりました。

だからこそ、人だからこそできる対話、意思決定の支援、
そして実行まで伴走するコンサルティングの価値は、
これからさらに高まっていくと確信しています。

AIは、確からしい答えを導き出すことは得意です。

しかし、本当に重要な問いを立てること、
数ある選択肢に優先順位を付けること、
そして経営者の覚悟を引き出すことは、人にしかできません。

私たちは、AIという優れたパートナーを最大限に活用しながら、
設計事務所の皆様の「次の一手」を共に考え、その実現まで伴走し続けます。

AIも活用して、ともに成長し、成功を創造してまいりましょう。