最近のアトリエ事務所や地方の小規模な設計事務所の待遇は、かつてのイメージとは全く違い、給与や休み・勤務時間など、随分、良くなって来ているように思います。

その中でも弊社のお手伝いしている事務所様は、かなり良いところが多いと思います。

ただ、その一方で、業界全体でみれば、個々の所員の成長が、鈍化している(していく)ように思います。

例えば、ある若手所員のAさんが先輩から建築賞の出品用のパネル案を弊社にメール送信するように依頼されました。確かに言われた通りの内容で、弊社にメールいただき、確認させていただきました。

メールが到着した時間は、金曜日の19時です。

少し拝見して、確認したい項目がいくつかあったので、Aさんにお電話差し上げると、もういらっしゃいませんでした。19時10分。

ここで何も19時過ぎに退社したAさんを非難するつもりはありませんし、残業までしてくれているので、ありがたい限りです。

さて、月曜になりました。

「Aさんは、週末はどこか行かれたりされました?」

「洗濯とか掃除ぐらいで、特に何ということも無かったです。」

「そう、、、週末に送っていただいたパネルの件だけど、敷地の北側の隣地にはお寺がありますよね。それは建て主のものでもあるので、それを配置図には入れた方が意図が伝わりやすいのではないでしょうか?」

「現地を見たことが無いのでわからないので、先輩に代わります。」

 

建築賞に応募する作品ですから、それなりに事務所の作品の中でも力の入ったものです。当然、スタッフとしては、この図面はもちろん、現地も見ておく方が勉強になるに違いありません。

パネル案の内容を少しは見ていると思うし、その内容を深めて自分のものにしていくか、ただ先輩の作業を肩代わりして、何も得ないか?

1の仕事を0にするか、1以上にするのか?

若手の成長の差は、ここにあるように思います。

皆様の事務所のスタッフの方は、いかがでしょうか?

 

少なくとも今なら、安藤忠雄展へ行くべし!

建築家を目指そう! もっといいものを創り出そう!

そんな「挑戦」をする気がある方には、是非。

もちろん、自社の作品も受賞しているものぐらいは、見ておきたいものです。