コンペ・プロポーザルでプレゼンする一番優位な順番は、何番目でしょうか?

コンペ・プロポーザルの勝ち負けにプレゼンの順番は、影響するのでしょうか?

そんな質問をいただくことがあります。

答えは、

プレゼンの順番は、勝ち負けに大きく影響します。

そして、

プレゼンの順番で戦い方も変わります!

そうは言っても、トップバッターは、最初なので、硬い雰囲気の中でやり始めることになりそうだから、緊張してやり難そうだし、中盤だと周りに影響を受けて、埋もれてしまい、目立ちそうにない、

では、終わりの方はどうかと考えれば、

同じような話を審査側は何度も聞かされているので、疲れていて、集中して聞いてもらえそうにない。

そんな気がするものです。

このように、いろいろな状況が想定される中で、そもそも順番に優劣なんてないのではないか?

そのように思われる方もいらっしゃいます。

既に心理学を学んでいる方ならご存じだと思いますが、

「初頭効果」と「親近効果」というものがあります。

では、ここで記憶ゲームです。今から言う言葉を覚えて下さい。

「ブタ、殿、カバ、姫、ライオン、家来、イヌ、兵隊、トリ、坊主、パンダ。」

「では、最初に言った物を答えて下さい」と質問されて答えられる、

その再生率が高いのが「初頭効果」です。

「では、最後に言った物を答えて下さい」と質問されて答えられる、

その再生率が高いのが「親近効果」です。

よって、一般的にプレゼンテーションは、

最初か最後が有利なのです。

しかし、コンペ・プロポーザルで選ばれる側(提案する側)からは、

なかなか順番を決めさせてもらえないのが現実です。

それでも知識として知っておいた方がよいのは、先に述べたように、

最初か最後が有利ということです。

逆に選ぶ側の立場から言えば、

期待している応募者には、最後にプレゼンしてもらいたいものなのです。

これは、よくある出来レースとは違います。

それはなぜでしょうか?

それは、全体を俯瞰し、いろいろな情報を踏まえての提案になることと

全体を総括し、まとめとしての質問も可能になります。

また、発注者側は、提案に納得できれば、そのまま金銭交渉も可能です。

そして、何と言っても最後のプレゼンターには、後ろにもう発表者が居ませんから実質的には、制限時間がないのです。

よって、他者と明確な差別化が可能な場合には、

最後にプレゼンテーションを行うことがおススメであり、

そういう役割を期待されている可能性が高いのです。

その他には、ハロー効果というものもあります。

別名、後光効果とも言われます。

ある人・会社を見る目が、発表者のバックグラウンドや別の特徴などによって、偏った見方をしてしまう効果のことです。

「色眼鏡で見る」と表現してもいいかもしれません。

たとえば、医療施設のコンペの場合に、

その主担当の建築士の家系がみんな医者だと知ったらどうでしょう。

繰り返しになりますが、

他社と同じようなレベルの提案しかできない場合は、

最初か最後ということになります。

 

しかし、これだけ書いているのに、まだ提案する側から順番を選ぶこと自体できないのではないか?

などと最初から諦めている方がほとんどです。

そんな姿勢では、戦う前から負けています。

よーく思い出してみてください。

時折、発注者側から何番目が良いですか?とか、●月●日は、何時からなら可能ですか?と聞かれる場合もあります。

その際は、順番を最初か最後にしてもらえるようにしましょう。

 

もちろん、結局のところは、ずば抜けた提案をするしかないということになります。

今日の同行は、土曜日ということもあり、某医療機関のコンペのプレゼンテーションでした。

他社との違いを明確に打出すことができたと思います。

実績もそれなりにはあったと思いますが、それ以上に関わるメンバーの情熱があり、さらに足を使った情報収集もありました。

他社でこちらの事務所以上の努力はまずされていないでしょう。

こうした活動が通じているのかわかりませんが、

当初予定されていた順番も、直前になって、最後にしていただくことができました。

案の定、プレゼンの時間も質疑で盛り上がり、予定の時間を倍ほど超過することになりました。

ちなみに、発表が質疑を含めて予定時間内で終わっているようであれば、

聞くことが想定以上には無い、

時間を割く価値が無いという意味になると思います。

逆に、質疑を含めて予定時間をオーバーするのであれば、

聞くことが想定以上に多く、

時間を割く価値があり、もっと話を聞きたい、

もっと良いアイデアを得ることができるのではないか、

問題点の解消にも繋がるのではないか、

そして、自身の建築を一緒に創り上げるのは、この会社だ。

そのように思っていただけるのだと思います。

ちなみに、弊社の同行は、

創成窪田株式会社として同席させていただいております。

よく建設会社のサポートで、

設計事務所の担当者が当該建設会社の名刺を持って同席するのとは

まったく違います。

建築主様には、経営コンサルタントとしての視点で、

何が重要なのかお伝えさせていただいております。

これまでの同行では、

100%のプラス評価をいただいていると自負しております。

今回は、我々が提案できたので、良かったのですが、

設計事務所の価値を高めるのも逆にしてしまうのも事務所次第です。

顧客に喜ばれる提案、必要とされる提案、

「○○設計事務所の提案は、流石だな。」

そのように、認めていただく提案を行うことが義務だと思います。

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