『シーザー・ペリ 若き建築家』映画上映会&トークセッションのために、
市ヶ谷の JICA地球ひろば にお邪魔しました。

ゲストスピーカーには、ペリクラークアンドパートナーズ ジャパンの 岩田様 をお迎えし、
ペリ氏が日本で手がけたプロジェクトについて、貴重なお話を伺うことができました。

アルゼンチンで生まれ、アメリカを拠点に、
ペリは ペトロナスツインタワー で、先進国ではない国に“世界で一番高いビル”を築きました。
それをきっかけに、世界的な注目を集め、
日本でも あべのハルカス、そして最近では 麻布台ヒルズ によって、
“日本一高いビル”を二度も実現しています。

そんな彼の姿を描いた映画のタイトルが、『若き建築家』。

80代のペリが中心なのに、なぜ“若き”なのか?
正直、最初は違和感を覚えました。

でも、観終わった後──
そのタイトルの意味が、じんわりと身体に残っていました。

彼の建築は、大きく、象徴的でありながら、
その中にはいつも 人間の営みや視線、温度 が宿っている。
語り口は穏やかで、柔らかい。けれど、その奥には、挑戦し続ける意志がある。

年齢ではなく、
変化に耳を傾ける姿勢。
他者と共に考える姿勢。
初めてに向かう勇気。

それこそが、ペリにとっての“若さ”だったのだと、今ならわかる気がします。

「若き建築家」とは、ペリその人のこと。
そして、これから建築に向かう、すべての私たちへの問いかけだったのかもしれません。

経験があっても、独りよがりの答えを持たない人でいよう。
若さは、建築の中にある。
若さは、前に向かう、あなた自身の中にある。