今日から日本経済新聞「私の履歴書」の谷口吉生先生のお話が始まりました。

初回のタイトルは、「父と同じ道」です。

その中で、谷口先生は、設計者を選ばれるコンペティションには、ほとんど参加されていらっしゃらないと記載されていますが、ニューヨーク近代美術館(MOMA)は、国際コンペによるものです。

他の5番街に面するメトロポリタンやグッケンハイムに比べて、マンハッタンの53丁目と54丁目の狭いストリートの間のこんな立地の中で、素敵過ぎます。

ただいま谷口先生は、信濃美術館の建替えコンペで審査員をされていらっしゃいます。

何でプロポーザルなの? 東山魁夷館のリニューアルに併せて計画していただいた方が良いのではないかと思う反面、コンペティションというプロセスを踏まえた方が、より良いものができるのではと思うのも無理はありませんし、決まっていく中で、いろいろな案が見えることは、公共建築物としての市民の納得性も高まるのは事実でしょう。

ただし、審査員のために谷口先生の案が拝見できないことは、非常に残念でなりませんが、エドワード・D・ストーンとフィリップ・S・グッドウィンにフィリップ・ジョンソン、シーザー・ペリに谷口先生が続かれたように、選定された設計者は先生の考えも反映されることでしょうから信濃美術館の完成は楽しみでなりません。

是非、「私の履歴書」に併せて、谷口吉郎著の「雪あかり日記/せせらぎ日記」や東山魁夷著「風景との対話」もお読みいただければ、楽しさが倍増すると良いと思います。