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設計事務所の営業手法

「設計事務所の営業」と言えば、やはり「役所への名刺配り」と「飛び込み営業」が1番・2番に思い当たるのではないでしょうか?

まず、1番目の「役所への名刺配り」ですが、市役所や町役場で担当窓口の受付けに名刺入れ(箱)が設置されているところが未だに多くあります。置いてあるということは、入れる必要があるということです。

ということで、営業スキルや技術力の低い事務所は、そこに入れに行く必要があります。

こう書くと、本当に名刺のみ入れる方が居てしまうのですが、名刺を入れにいくのは、あくまで担当者が居ない、話をする方が留守だった場合です。誤解の無い様にお願いします。

しかし、スケジュールを決めて行かれていない事務所や所長が多いのが現状です。

毎月や2か月に1回は、第一週の月曜日に訪問するなどとルールを決めることが重要です。

「そう言えば、最近、行ってないから行っておこう。」などとやっていると指名から外されてしまう可能性もありますのでご注意ください。

続いて、2番目の「飛び込み営業」は、スキルとスピリットの両方が必要な非常に高度な営業手法です。

よって、これを行うことにより数字を稼げる人には通常は次の2つです。

1つは、ペテン師(短期的な売上であり、リピートをもらうことは少ない) もう1つは、営業レベルが高い のいずれかです。

ただし、3つ目として、営業のスキルが低くとも売れる場合があります。
それは、需要と供給のバランスが圧倒的に需要>供給の場合、もう一つは、本物商品を扱っている場合です。 本物商品なら、お客様の方に選別眼があるので、勝手に買ってくれるのです。

しかし、現実としては、やっぱり飛び込み営業は、ただつらいだけ。こんなことをしても数字なんて上がる筈もない。そんなふうに思いながらお役所の名刺置きのついでに気が向いたら飛び込んでみているなんていう人が多いと思います。

また、春には多くの会社で新入社員が入社し、その最初の登竜門として経験のために飛び込み営業をする会社もあります。
ところが、はじめての営業で、対して業界知識やノウハウが身についてもいないので、数字に結びつくようなことも無く、きちんと話を聞いてもらえないことがほとんどです。
社会というのはこんなにも厳しいものか?こんなことで会社に貢献できているのだろうか?自分はこんなことのために就職(転職)したのでは無い。と人生に疑問を抱きながら飛び込みを続ける人も多いと思います。

一昔前の屈強な営業マンは激減し、苦労し入社した会社をあっさり辞めてしまう若者が増えているなどと、現在を悲観し、嘆くばかりで、昔の自分はその屈強な営業マンだったと自慢ばかりで、今は飛び込みなんてやっていない上司がほとんどです。

そもそも、飛び込み営業をやって、本当に儲かるのでしょうか?

一度に獲得できる顧客と受注額を比較すると恐ろしく効率悪く、ほとんどの場合、飛び込み営業では大きく儲かることは少ない。と結論付けます。

しかし、これは基本です。

建築設計の場合は、違います。

飛び込み営業しないのは、もったいないのです。
何よりも飛び込みで得た顧客でも競合他社とコンペにならずに成約できるケースが多く、利益率も高い場合が多いのです。

そのやり方とは、
1.飛び込みの前に調査(電話や現地・聞き込みなど)を行う
2.本当に勇気を持って、訪問する(本当に行かない人が居る)
3.訪問相手が喜ぶような資料(情報)を準備していく (情報がなければ、情報のある人に同行してもらう。私はよく同行営業しています。)
4.自社の良さを明確に説明できるようにしておく
5.顧客がセミナーの参加や資料請求などアクションを起こすことができるようにしておく
なお、飛び込みは段階を追ってしないと効果があがらない。とか次回のアポイントを取ることを目標にするなどというのはナンセンスです。

はじめにさわやかな挨拶、そして、情報を聞いてもらいニーズを聞き出し、その場で大まかな提案ができること。 その上で、敷地を確認し、具体的な提案を何時お持ちするかお話できる。面談時間として1時間以上、会話が続かなければいけません。それぐらいの力量を高めなければ、お客様に失礼ですし、数字にはなりません。

幸い、『同じような設計ができる事務所がたくさんあり、差別化が難しい』と勝手に業界の他事務所が思っていて、顧客に対し、『建築設計に関するDMなどの広告が少ない』ので特に効果が出せます。

ただ、どこにでもある事務所と同じように売ろうとするから売れにくいのです。

実は、これまでセミナー営業中心で飛び込み営業をおススメしていませんでした。

それは、営業マン自身が感じていることですが移動時間と交通費がかかります。特に建築は、車を利用しないと営業できない場合も多く、先の1時間超の面談が予定されるので、一日4,5件が限界です。

もちろん、何よりセミナー営業だけで十分な数字が上げられていたからでした。

なお、上記の1.の事前の電話で断られた先でも名刺を渡して顔を見せることで誠意を感じていただき、
(1)担当者を教えてもらえる
(2)訪問先の外部、内部、さらには運営状況まで実際に見ることができる
(3)資料を直接お渡しできるので、目を通してもらいやすい
(4)直接、担当者に会って熱意を伝えることができる
(5)取りこぼしの防止ができる
などたくさんのメリットがあります。

ただし、基本的に単なる営業マンは必要ありません。

セミナーやホームページの強化でかなりのパフォーマンスが発揮できます。加えて営業目標、日報、ヒアリングシートなど営業の基本の報告無しにやっている事務所が多いのです。

飛び込み営業は、セミナーやホームページのリニューアルを行った上で、実践して欲しいものです。

セミナーができないような事務所が他社と差別化(自社の強みを明確化)できているとは思えませんから。

その他にも建設会社・工務店に飛び込むことも可能だと思いますが、デザインや機能性はもちろんのこと「安さ」と「スピード」が要求されます。

施工会社の中には、提案力が無いのに建て主に「設計施工の一括発注が責任の所在が明確であり一番だ!」と伝えているために、設計事務所の担当者に当該施工会社の名刺を持たせる会社もあります。

状況はいろいろありますが、良いものこそ、情報発信と営業が必要です。