成功する設計事務所経営ドットコム 経営コンサルティング

独立・開業サポート

設計事務所を独立開業するにあたり、誰かに「独立したい」「そろそろ自分の事務所をもちたい」と相談すると、

ほとんどの方に、

「止めた方がいいよ。もう少し実績を作ってからにしなよ。」

「とにかく、独立するまでにあらゆる人を大事にして人脈を作ることが重要なんだよ。」

「あなたになら個人になっても設計を依頼したい。そう思ってくれる人が何人かできるまで今の事務所で頑張った方がいいよ。」

などとまったく想定内のアドバイスにならないアドバイスをもらうことになるものです。

 

さらには、

「独立しても一人では何も出来ないし、やはり経営するための仕事の確保と実務を1人で処理できなくなった時に頼める人脈、それからあらゆることに相談出来る友人が必要なんだよ。親友と呼べる人が何人居るの?」と偉そうに聞き返されたりします。

そこで、「無二の親友が居ます。彼となら大変な時も一緒に頑張ろうと誓い合えています。」と言えば、

「そんなのは、夫婦でも難しいのだから、若い時の勢いだけで判断してはダメだよ。生活が懸かるのだから友情だけじゃ、飯は食えないよ。」などと言われてしまうかも知れません。

確かに、実力のある有名建築家でも廃業の危機に晒されたことがあることも知っています。

一方で、目の前にいる相談者に比べて、自身の実力がそれほど劣っているようには思えません。

逆に、独立しようと思うような人は、基本的に仕事の出来る人なので、「何でも自分一人の力で出来る」と思っています。

現在、所属している事務所で困った時、所長に聞いても明確な答えが得られなかったり、責任をお仕着せられたりしている場合が多いものです。

よって、反対の意見を言われても、結局は、聞く耳が持てないと思います。

 

確かに、昭和の高度成長期のように世の中全体が右肩上がりで、建築士の数が足りなかった時代であれば、今よりも独立し易かったのでしょうが、現在のようにデフレで、所長や管理建築士をされているようなレベルの方がであっても、今から独立するとすれば、それは、非常に厳しい状況であることは、間違いありません。
しかし、誰でも独立できない訳ではありません。
実際に、開業され、着実に経営ができている人がいるのも事実です。

単純に言えば、成功の確率が低くなっている。

それが現実です。
では、できるだけ成功の可能性を高くする方法は、無いのでしょう?

もちろん、その答えはあります。
現在、開業するために必要な要件としては、大きく3つあります。

1.これまでの実績が表立って使えること

2.設計案件の来るシクミがある(つくれる)こと

3.開業資金があること

よって、独立希望者からのアドバイスを受けた場合は、

「これまでの実績で表立って使える物件がどれぐらいあるの?」

「これから設計案件の来るシクミがあるの?(つくれるの?)」

「手持ちの開業資金としては、どれぐらい持っているの?」

と相談者に尋ねるべきです。

1.これまでの実績が表立って使えること

これは、他の士業(弁護士・医師・会計士)と特に大きな違いがあり、建築というリアルな存在が依頼者から求められます。

過去の実績(建築主・用途・建築写真など)を公表できる状況を作れているかどうかは非常に重要です。

独立前の勤務先の協力が得られるとやり易いのですが、現実は、なかなか難しいものです。

基本的に開業直後は、これまでの所属事務所あっての実績です。

どんなに、自身で設計したと自負しても、そのことを忘れてはいけません。

また、単に「事務所のトップになりたい」という意味で言えば、現在の事務所の所長よりも自身の年齢の方が上というケースは稀だと思います。

任せてもらえるまで待つ方が賢明と言えます。

実績づくりは、非常に大切です。

特に現在は、社会の発展とともに用途毎の建築実績が問われるようになっています。誰もやったことの無い用途の建築はほとんどないと言えます。病院設計の経験が無い人に総合病院の設計を依頼する建築主はいません。

未来に建築されやすい用途の建築を、未来に期待できる実績として数多く竣工させておく必要があります。

マンション設計ばかりやっていた建築士に、飲食店の設計依頼は、し難いものです。

できれば、既存事務所で、特定用途(分野)の設計部門を立ち上げるぐらいの力量が必要だと思います。

もしくは、既存事務所の商圏から少し離れた場所に新拠点を開設するイメージ(昔で言えば、のれん分けのようなもの)で開業を現在の所長から支援してもらえるとよいですね。

2.設計案件の来るシクミがある(つくれる)こと

先の「のれん分け」が一番スムーズに開業できる方法と言えるかも知れません。

これがいわゆる設計案件の来るシクミの1つです。

開業前に所属している事務所が忙しければ、所長が受けきれない仕事(建築主)をあなたに紹介してくれます。逆に忙しくない事務所に居ると、こうしたシクミが構築できていないと言えます。

住宅なら数も多いし、何とかなると思われる方がいらっしゃいます。

しかし、住宅は、競合事務所が特に多い分野です。そして、設計料も1件当たりの単価が大きくありません。1人で自宅を使ってやるとしても年間に少なくとも3棟以上できないようであれば、独立する意味があるか疑問です。

まずは、どんな実績を積み上げて行こうと考えているかが開業する事務所の将来像であるとも言えるのではないでしょうか?

その案件がどのようにすれば、自身の事務所にもたらされるのか?持ってくることができるのか?このイメージができていることが必要になります。

シクミには、前事務所の所長から、建設会社から、ホームページから、書籍・雑誌から、セミナーから、金融機関から、会計事務所から、入札から、コンペ・プロポーザルから、いろいろな情報ルートや繋がりから依頼が寄せられます。

自身の長所を活かしたシクミがある(つくることができる)必要があります。

設計案件の来るシクミのイメージができていますか?

3.開業資金があること

やはり開業資金が豊富にあれば、成功の確率は高いと言えます。

なぜなら打ち手の幅が広がるからです。

現在は、株式会社設立も1円からできるために、資金にゆとりが無いままに見切り発車してしまう方も多いように思います。

そして、結局、新築案件が来る前に背に腹をかえられなくなり、下請け事務所になってしまう方も大勢いるのです。

懐の余裕は、あなたらしい事務所の運営を可能にします。

一等地に立派な事務所を構えるのと、貧相な自宅の片隅で開業するのでは、顧客からの見られ方も施工会社やメーカー・建材商社などの対応も違います。

優秀な所員をはじめ、システム、プリンター、各種備品、必要なものやあれば良いものはたくさんあります。

そうでなくとも歴史も実績も少ない設計事務所の設計に、顧客が何千万も何億円も投資することができるでしょうか?

しっかり蓄え(もしくは、借りて)、開業することをおススメします。

こうして書いた開業のポイントは、既存事務所の経営を成功させるのに必要なポイントと同じです。

新規開業との違いは、既に実績があることです。

しかし、その実績もこれから未来に十分に活用できる状態にすることが必要です。

特に既存事務所の場合は、既存顧客がいるので、シクミとしては、リピートオーダーや紹介を如何に発生させることができるかが重要になります。

新規開業するつもりで、経営を見直していただければと思います。
要件としては、大きく上記の3つでしたが、

開業するのも継続するのも、絶対条件としては、ただ1つです。

「よい建築を設計する志があること」

です。

開業に向けて、まず考えるのは、事務所の名前ではないでしょうか?

事務所名1つとっても昔であれば、「あ」から始まるのが良いとされていましたが、今は、商号と屋号を使い分ける必要があったりする必要がありますし、開業場所も1度決めてしまうとすぐに引っ越し(移転)というわけにもいきません。

たとえば、先の事務所名の付け方をもう少し詳しく説明すると、

会社の名前は、あいうえお順で決まるから「あ」から始まる名前が良い、カタカナならさらに良いなどとされていました。

これは、電話帳(タウンページ)の掲載順がそれを優先していたからでした。確かにインターネットが普及していく、1995年遅くとも2000年ぐらいまでであれば、それで良かったのですが、最近では電話帳で欲しい物やサービスを探す人はかなり減少しています。

そこで、わかりやすく言えば、インターネット検索でヒットしやすい名前にする必要があります。

方向としては、大きく2通りあります。

1つは、「業種特化型」の名前を打ち出すことです。

「病院のための」「製造業のための」「葬祭業のための」といった具合にターゲット業種を明確に打ち出すスタイルです。ホームページの内容は大規模修繕一つとっても「病院のための大規模修繕」と打ち出します。

もちろん業界特有の課題や傾向を踏まえた上での話ですが、同じ業界の経営者にとっては非常に付加価値の高いノウハウとして映ります。

私のお付き合い先の中には「医療業界特化型」のホームページを構築している支援先がありますが、それまでホームページを見たからと連絡してくるお客様はまったくいらっしゃいませんでしたが、昨年では10件以上のお問合せをいただくようになりました。

この事務所は問合せからの受注率が非常に高いのですがその理由はこのホームページにあると考えています。

つまりホームページ内で事務所の専門性や業務内容、設計費用に至るまで、じっくり確認された上での問合せですから当然受注率も高くなるという事です。

また、単に医療という大分類ではなく、内科、しかも血液透析施設というところまで落とし込みます。

今の時代は多くの場合、購買決定の前にインターネットで「検索」というステージを通過します。皆さんもDMやチラシを見た時、即購入するよりは「一旦どんな会社か確認してみよう」「他にも同じようなものを扱っているところはないか?」「他のメーカーは無いのか?」などと思うのではないでしょうか?

トヨタやパナソニックのような超大企業やコカ・コーラのようなナショナルブランド商品でさえ比較されます。それがまだまだ知名度が高いとはいえない設計事務所業界です。その上、企業でも個人でも活動の器となる建物の計画にあたる設計を任せるとなると選ぶ側が慎重になるのも当然の事と言えます。さらに、一度建ててしまうと簡単にやり直すことはできません。

その点、業界特化型の名称は、付加価値の高いサービスを訴求するのには非常に適した手法と言えるでしょう。
ホームページの検索エンジンを利用する人は「課題を解決すること」を目的として探しています。よって、検索している人が求めている業界の建築設計に関する情報がたくさんあるホームページに辿り着きたいのです。

すると、ある業種に特化してかなり実績がある設計事務所の経営者でも、「確かにウチは工場設計の実績が多いのですが、これまでマンションや戸建住宅も何件か設計した実績があるので、今後、そうした案件が発生しないのではないか?と不安になられ、業種特化したホームページの構築を敬遠されます。お気持ちは分かりますが、検索している方にとって、その少量の実績が魅力的に見える可能性は極めて低いと言えるのではないでしょうか?また、マンションや戸建の設計なら他社の方が断然情報量が多いので太刀打ちできないのではないでしょうか?

そのような経営者には、次のようにアドバイスします。

「所長、お客様に情報を提供する順番が違っています。これまでに工場の実績が多いのであれば、まず、その長所を伸ばして下さい。その後で工場の経営者というのは資産家の方が多いと思うので、個人の資産活用や相続対策として賃貸マンションの建設をオススメするとよいのです。」

まずは、特化型の名称するもしくは、ホームページのタイトルだけでもそうすることにして、自社の強みを棚卸ししていただきたいと思います。

もう1つは、「地域特化(密着)型」の名前を打ち出すことです。

たとえば、私の出身は、岡山県ですが、「岡山県総合設計事務所」という事務所であれば、県下に根付き、どんな設計用途にも対応できる事務所であることを訴求できます。

もちろん、両者の合わ技で、岡山県介護建築設計事務所とすれば、より得意分野と地域密着の姿勢が明確に伝わると思います。

ただ、今さら事務所名は変えられないし、事務所の名前は自分の名称を入れたい。「まごころ」を大事にしたいから「まごころ設計」だけど、ちょっとカッコ良くしたいので、フランス語のサンセリテをもって来て、サンセリテ設計にしたい。それでも良いと思います。

重要なのは、所長がモチベーションが維持できる、強みが明確になる必要があります。

本当に名前にはものすごいパワーがあります。

このように事務所名の付け方から開業時期(タイミング)、場所(自宅・テナント・駅前・郊外)、会社案内、ホームページ作成、スタッフ採用などあらゆるご相談に的確なアドバイスが可能です。

成功している所長のご紹介も可能です。

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(音楽教育社)著者:窪田順司 設計事務所のためのマーケティングマニュアル(建築資料研究社)」 著者:窪田順司